藤森もも子さんを形づくる、フランスマダム譲りの“スイート”な女性像とは。
「キャラメライフ」のプロダクトをこよなく愛する憧れの人にインタビューする当連載。記念すべき第10回目は、「ふじ森」代表としてベーカリーをプロデュースする藤森もも子さんが、キャラメルのように“スイート”な気持ちを抱くトピックに迫った。経営者として、洗練された大人の女性として、藤森さんの“スイート”さを支える信念をぜひチェックして。
──前回のインタビューで、“人生は生まれてから死ぬまでずっとビター”とおっしゃっていた藤森さん。反対に自分を甘やかして“スイート”な気分に浸ることなどはありますか?
藤森:実は、ほとんどないんです! 私はナマケモノな性格なので、自分を甘やかすとダメになると考えていて、なるべく楽しいことを遠ざけてしまう傾向が。旅行や自分へのごほうびとしてのショッピングなどは、ほぼないですね。
スペシャルな時間やアイテムよりも、むしろ日々やるべきことを一所懸命にこなして、夜、きちんと化粧を落としてお風呂に入り、パジャマに着替えたうえで眠りにつける瞬間が、いちばんの癒しだと感じます。夜は息子の勉強を見つつお風呂に入れて寝かしつけ、そこから日中できなかった仕事を片付けて……と慌ただしくしていると、なかなか完璧に自分の身の回りを整えてから就寝するのが難しくて。
──タスクをこなしてわだかまりなくベッドに潜りこめる瞬間というのは、たしかに子育て中のママには貴重なものかもしれませんね。でも、藤森さんはとてもおしゃれな印象です。ショッピングはあまりされないんですか?
藤森:基本的に物を持たないスタンスで、興味がないほうだと思いますね。こだわるといえば、家くらい。住むところだけは自分なりのパワースポットというか、“テンションが上がるところに住みたい”と思って、採算を考えずにフィーリングで選んでいます。
物に頓着しない考え方は、長いフランス生活の中で、年を重ねたマダムたちを見て育まれたのかも。彼女たちは着飾ることよりも、自分の内面を磨くことのほうに価値を置いているんです。そのためか、ヨーロッパでは若い“お嬢さん”、つまりマドモアゼルよりも、年かさのマダムのほうが魅力的な存在として丁重に扱われる。ワインやチーズ、バイオリンのように、人間だってエイジングによって深みが増して、価値が上がっていくものだという考え方なんですね。
私もそんなふうに年を重ねていきたくて、ヨーロッパのマダムたちがよくつけているブルガリのジュエリーをたまに買うこともありますが、それくらい。早くこれが本当に似合う大人になりたいといつも考えています。
──高価なジュエリーに自分の魅力を引き上げてもらうのではなく、同等の価値を持ったうえで身にまとってこそ、ということでしょうか。
藤森:はい、だから今のところは、まだまだ足りない自分の未熟な部分を感じさせてくれるアイテムといえます。“服やブランド品に着られるのではなく、着こなしてみせないと!”って。そのために、まずは自分というコンテンツを磨いて、自分自身のブランド力を高めていくことが第一。この感覚は、フランス人から教わったものですね。
──理想となる素敵な女性像をひたむきに追求するスタンスが、藤森さんを魅力的に輝かせているんですね。
次回は、藤森さんが考えるギフトの選び方についてお伺いします。
藤森もも子
「ふじ森」代表。都内でブーランジェリー「ふじ森」と、「ル トーキョー フレンチベーカリー エスプリ」の2店舗をプロデュース。PRコンサルタント、ジャーナリスト、フリーアナウンサーの顔も持ち、PR会社でも代表を務めている。趣味のゴルフについて発信するインスタグラム(@momoko_fr)が人気。
衣装撮影協力: Avie (@avie_andensal/アネンサール 03-6786-9267)
ロケーション撮影協力: Curative Kitchen(https://curativekitchen.jp/東京都渋谷区神宮前4-5-13 1F/03-6384-5881)
Edit: Satoshi Nakamoto
Photos & Video: Kazumasa Kawasaki
Text & Interview: Misaki Yamashita