丸山尚弓さんが考える、伝える仕事の“ビター”さと上手な切り替え法。
「キャラメライフ」のプロダクトをこよなく愛する憧れの人にインタビューする当連載。第13回目となる今回からは、メンズファッションライターの丸山尚弓さんに話を伺っていく。まずはキャラメルのほろ苦い味にちなんで、人生の“ビター”な瞬間について振り返ってみてもらった。
──メンズ専門のファッションライターとして活躍されている丸山さん。異性のファッションについて発信するのは難しそう、というイメージがありますが、実際のところはいかがですか?
丸山:周囲からは、異性のファッションのルールを知るのが難しいのでハードルが高そう、なんて言われることがよくあります。でも、男性は女性に比べて初期投資を重視するというか、靴や時計など、価値のあるものをしっかり見定めて購入される方が多いので、よいものをたくさん知ることができて興味深いんですよ。
もともとはSNSを中心に発信をしていたのですが、女性目線で男性の身だしなみの話をしているのがおもしろいと、媒体から執筆の声をかけていただくことが増えていきました。
──SNSでの発信を得意とされているというのも、新しさを感じますね。インターネット上でのコミュニケーションで難しさを感じたことなどは、何かありますか?
丸山:より多くの方に読んでもらえる記事になればなるほど、コメント返しが大変……というのは、どうしてもついてまわりますね(笑)。自分らしさや温度感を大事にしたいから、オススメの商品を紹介するときにも「問い合わせはこちら」という風には書かず「うちの県だとどこで買えますか?」のようなコメントにもダイレクトに返信しています。
“画面の向こうにも人はいる”というのが、私の信条。SNSの記事といえど、そのコミュニケーションも人づきあいだと考えていて。だから膨大な量の返信をしながらも、一つひとつが積み重ねだな、とは考えているんですけど。自分が紹介したことに対する反響がダイレクトにわかるのは、素直にうれしいですからね。
──問い合わせ先を掲載せずに、すべてご自身で返信なさっているんですか!? 本当に細やかな気づかいですね。ライターという職業は発信して伝える仕事が主だと思いますが、その中で何か“ビター”な思いを抱いた経験などはおありでしょうか。
丸山:そうですね……。この仕事をはじめてすぐの頃、自分らしく伝えることにこだわっていたあまり、私が書いた記事が思っていたタイトルで公開されなかったのに戸惑ってしまったことがあって。担当の方に「どうしてなんですか?」って、ちょっと強めに聞いてしまったんですよね。結果、その方の上司からも謝られることになってしまったのは、ビターだったなと思います。
実は中学生の多感な時期をアメリカで過ごしたこともあり、「理不尽だと感じた時には納得できるまで追求すること」を美徳とするマインドが自分の中に根付いていて。でも、仕事を円滑に進めていくのであれば、目先のことだけでなくてもっと全体像をつかんだおつきあいをしていくべきだな、とそのとき強く感じました。ふるまいや言動は、回り回って自分に返ってきますから。何よりも、相手の立場に立って考えることを大事にしていきたいですね。
──その反省もすごく丸山さんらしく繊細な、気づかいの感じられるものな気がしますが……。ご自身でそうした反省点を仕事に見出したとき、苦い思いをリセットするご自分なりの方法などがあれば、教えてください。
丸山:最近、マイクロバブルを発生させるシャワーヘッドを使い始めたのですが、本当に疲れを取ってくれる気がしています! 湯温が高く感じられて、そのお湯を浴槽にためると血行もよくなるそうなんですよ。
あと特に疲れを感じるときは、お清めの意味も込めて、粗塩をひとさじ肩にかけてからシャワーで洗い流すようにしています。これは友人が塩風呂に浸かっているというのを聞いてやってみたのですが、気持ちがすっきりするんです。そんなふうに、マイナスな感情をその日のうちにリセットしてからベッドに入るのがおすすめですね。
──美人は血行も感情も滞らないんですね! それでこそ、いつも生き生きと美しく、笑顔でいられるのかも。
次回は、丸山さんの“スイート”な時間の過ごし方についてお伺いします。
丸山尚弓
メンズファッションライター。Facebookからの発信は“女性目線のコメントがわかりやすい”と好評で、紹介した製品に問い合わせが殺到すること多々。メンズブランドの企画やブランディングも行う“美人すぎるライター”として、ライフスタイルも含めた男性のトータルでの魅力アップを導いている。
Edit: Satoshi Nakamoto
Photos & Video: Kazumasa Kawasaki
Text & Interview: Misaki Yamashita