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JOURNAL

2021.05.02

大草直子さんが語る、人生の“ビター”な局面とその対処法。

「CARAMELIFE」のプロダクトをこよなく愛してくれている、憧れの人にインタビューするコラム連載がスタート。

記念すべき1人目には、スタイリングディレクターの大草直子さんをお迎えした。

シンプルシックな洗練された装いに、朗らかで飾らない心からのスマイルが生き生きと輝く彼女。

けれど、キャラメルのテイストが甘いだけではないように、時にはほろ苦さを感じる場面もきっとあるはず……。

そんな過去のエピソードや、上手な切り抜け方について話を伺った。

大草直子さんが語る、人生の“ビター”な局面とその対処法。|CARAMELIFE

──ファッション業界随一のビッグスマイルを誇る大草さん。仕事も私生活も充実しているイメージがあって、多くの人の憧れになっていますが、日々の生活で“ビター”な気持ちになることなんてあるのでしょうか?

 

大草:もちろんありますよ! 仕事でもそうだし、私生活でだって家族会議を開くことはしょっちゅう。“ビター”って直訳すると“苦い”という意味で、必ずしも“つらい”感情とイコールにはならないかもしれませんが……。人によって、“苦しい”とか“悔しい”という感情とも通じるものですよね。

大草直子さんが語る、人生の“ビター”な局面とその対処法。|CARAMELIFE

大草:その点でいうと、私が携わっているスタイリングや編集といった“発信”の仕事においては、自分のことばが思いがけず意図した内容とは違う形で世の中に伝わってしまったときに、特に厳しさを感じますね。あとは一所懸命やったにもかかわらず、必要とされなくなってしまうとか……。

 

私が身を置いている業界は感性に頼るところが大きく、これといった明確な正解がない場所ということもあって、そういう“苦み”というか、挫折を味わった経験はたしかにありました。

大草直子さんが語る、人生の“ビター”な局面とその対処法。|CARAMELIFE

──なんと、意外です。それでも素敵な笑顔を絶やさないコツは、どんなところにあるのでしょう。

 

大草:とにかく、踊ること! 10代の頃からダンスを習っていたけれど、働きはじめてからサルサに目覚め、もうかれこれ20年以上続けています。マインドとフィジカルは表裏一体だから、心が落ち込んだときには、体を動かすことが第一だと考えていて。

 

“運動する”って、“運”を“動かす”と書くでしょう? 体を動かせば、心もおのずとついてきて、安定するんです。歌や踊りって意外と大事で、幸せホルモンが増えるなんて聞いたこともありますよ。家でも踊りますし、あとは週に2〜3回、ヨガクラスに通って汗をかくことも。

 

心から“楽しい”とか“好きだ”と思えてありのままの自分でいられる、仕事以外のサードプレイスを持つことは、“ビター”な気持ちに打ち勝つための何よりの対処法だと思います。

 

──次回は、大草さんの人生における”スイート”な時間について、お話を伺いたいと思います。

大草直子さんが語る、人生の“ビター”な局面とその対処法。|CARAMELIFE

大草直子
1972年生まれ、東京都出身。大学卒業後、現・ハースト婦人画報社へ入社。雑誌の編集に携わった後に独立し、ファッション誌、新聞、カタログを中心にスタイリングをこなすかたわら、イベント出演や執筆業にも精力的に取り組む。
WEBマガジン「mi-mollet」のコンセプトディレクター。WEBメディア「AMARC(amarclife.com)」を主宰。インスタグラム@naokookusaも人気。近著に『飽きる勇気―好きな2割にフォーカスする生き方―(講談社)」がある。

 

Edit: Satoshi Nakamoto
Photos & Video: Kazumasa Kawasaki
Text: Misaki Yamashita