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JOURNAL

2022.01.09

齋藤美紀さんのキャリアを方向づけた“ビター”な時期と、その過ごし方。

「キャラメライフ」のプロダクトをこよなく愛する憧れの人にインタビューするこちらの連載。第29回目からは、ヘア&メイクアップ・アーティストの齋藤美紀さんに話を伺っていこう。さまざまな現場で活躍する彼女のワークスタイルを形づくった、“ビター”な駆け出し時代について聞いた。

──南青山の人気サロン「SINCERELY(シンシアリー)」でのサロンワークを始め、アーティストや広告のヘアメイクも手がける齋藤さん。朗らかで気さくな笑顔と確かな腕で、各所から引っ張りだこだとか。今に至るまでのあいだに、苦労したことなどは何かありますか?

 

齋藤:美容師は、やはり若手の頃がとっても大変。私も例に漏れずで、「時間もお金も技術も余裕もない!」という四重苦でした。先輩たちはみんなきれいできっちりしていたけれど、自分はゆるゆるで……(笑)。なかなか思い通りにならないことも多く、とにかく努力の毎日でしたね。

齋藤美紀さんのキャリアを方向づけた“ビター”な時期と、その過ごし方。|CARAMELIFE

──サロンにいらっしゃる一般のお客さんのヘアを手がけるサロンワークと、アーティストなどプロのヘアセットやメイクアップを両方担当されている方はめずらしいですよね。そのワークスタイルはご自分から希望されたものだったのですか?

 

齋藤:始めはプロ相手のヘアメイクを志望していました。そのためには、ヘア&メイクアップ・アーティストさんに弟子入りすることが必要で。弟子入りには免許と実務経験がいると聞き、そのためにセット専門のサロンやカットサロンで経験を積みはじめたんです。

 

ですがその過程でサロンワークの大きな魅力に気づき、可能なかぎり両立してやっていきたいと考えるようになりました。ヘアを美しくセットするには、ベースのカットがきれいじゃないとどうしても思いどおりの仕上がりにならないことがあるんです。だから、カットの技術もきちんと備えていたくて。

齋藤美紀さんのキャリアを方向づけた“ビター”な時期と、その過ごし方。|CARAMELIFE

──そうだったんですね。その後アーティストさん相手のお仕事は、どなたにも弟子入りすることなく実現されたということでしょうか。

 

齋藤:そうなんです。周囲に「やりたい」と言いつづけていたら、知人が紹介してくれて。そんなふうに舞い込んでくるチャンスを掴むためにも、サロンワークで基礎固めをできていたのはよかったと思います。

 

キャリアについては、将来どう生きたいのかを高校生のときに考えたことがありました。そこで出した結論が、“好きと思えない仕事に就いて余暇の時間だけをよりどころに働くよりも、心から好きになれる仕事をしてその時間をめいっぱい楽しみたい”というもの。そのためにはつらくて大変な修行を積まなくてはならなかったけれど、一つひとつできることが増えていき、自立に向かって成長を実感できるのは楽しかったですね。

齋藤美紀さんのキャリアを方向づけた“ビター”な時期と、その過ごし方。|CARAMELIFE

──仕事の時間すべてを楽しめるのは理想の働き方ですよね。齋藤さんは、どのようなときにご自身の成長を感じられますか?

 

齋藤:自分に何が求められているのかをくみ取れるようになったときでしょうか。一から十まですべてを聞かなくても、相手のなりたいスタイルや自分のやるべきことを理解し、それに応じられるようになったと感じられる瞬間。

 

特にサロンワークは、ひとりのお客さまと向き合って一所懸命やれるので、その喜びが大きいですね。目の前で喜んでもらえるのも、とても励みに。私にとっての“ホーム”のような感覚です。

 

──だからこそ、齋藤さんにヘアを任せたいお客さんがあとを絶たないんですね!

 

次回は、齋藤さんが心から癒される“スイート”な時間についてお聞きします。

齋藤美紀さんのキャリアを方向づけた“ビター”な時期と、その過ごし方。|CARAMELIFE

齋藤美紀
ヘア&メイクアップ・アーティスト。オーガニックヘアサロン&スパ「SINCERELY(シンシアリー)」に所属。サロンワークのほか、アーティストや広告などのヘアメイクも手がける。

Edit: Satoshi Nakamoto
Photos & Video: Kazumasa Kawasaki
Text & Interview: Misaki Yamashita