鈴木絢子さんが振り返る、過酷で“ビター”なダイエット遍歴。
「キャラメライフ」のプロダクトをこよなく愛する憧れの人にインタビュー。連載第33回目からは、美容家でさつまいも料理研究家の鈴木絢子さんをフィーチャーする。スレンダーな美ボディを誇る彼女が、人生で最も辛かったと語る思春期のダイエットとは?
──鈴木さんは“さつまいも美容家”としてさまざまなメディアに出演しながら、製品プロデュースや講演など多彩な分野で活動なさっていますね。ご苦労された“ビター”な経験があれば、教えていただけますか。
鈴木:実は私、さつまいもに出合う以前、10代の頃はずっとダイエットに明け暮れていたんです。その頃は毎日つらくて、“ビター”でした……。
高校に入ったタイミングで、幼少期から続けていた陸上やテニスなどのスポーツをやめたら、すごく太ってしまったんです。しかも世の中は“細い=かわいい”という価値観が根強くあった時代のど真ん中。周りの友人たちも、みんなダイエットをしていました。
毎日走るとか、なわとびを1000回跳ぶといった運動系から、食べたものを記録するレコーディングダイエットなどの食事制限系まで、あらゆることにトライ。とくに食事に関しては、炭水化物抜きの生活を実践したり、キャベツやリンゴ、コンニャクだけを食べつづけたりと、およそ聞いたことのあるメソッドには全部手を出しましたね。
──中高生の時期に陥りがちな、ダイエット地獄ですね……。しかも鈴木さんの場合は、とてもストイックでいらっしゃったようです。
鈴木:はい。ダイエットを始めるまでは食べることが大好きで生きがいのように思っていたのですが、それすらも罪悪感に思える日々。精神的に追いつめられるし、代謝が悪くてむくみがひどく、なかなか成果は出ないしで散々でした。
さらに、過度なダイエットと極端な食生活のせいで、私も周りの友人も重度の便秘に。便秘薬をひと箱のんでも効果がないなんて子もいました。しかもなんと私、腰から毛が生えてきたりもしたんです! 食べない生活で滞りやすくなっているうえ、摂ったとしてもキャベツやコンニャクなど身体を冷やす食材ばかりだったので、身体が自分を守ろうとしたのかと……。その頃は、平熱も35度代の前半と、極端に低かったです。
──腰から毛!? それはびっくりしますね。鈴木さんは“さつまいも美容家”として知られているので、きっとさつまいもがそれを救ったんだと思いますが、いったいどのような出合いがあったのでしょう。
鈴木:ある日、私の体の不調を見かねて、母がこっそりお弁当箱に詰めこんでくれたんですよ。ランチタイムにお弁当箱を開けたら、自分で入れたはずのキャベツやリンゴではなく、干しいもが! さつまいもは炭水化物だし甘いため、太る食材だと思って見向きもしなかったのですが、それしか入っていなかったので仕方なくその日はおいもを昼食に。
そうしたら次の日、驚くくらいすっきりと便秘が解消し、肌荒れやニキビまで改善したんですよね。びっくりして調べてみたら、豊富な食物繊維とビタミンC、そしておいもにしかないヤラピンという成分が、腸をきれいにしてくれるそうで。
──お母さまのファインプレーで、さつまいもの知られざるパワーを思い知る経験をされたんですね。
鈴木:そうなんです。母は、祖母が便秘のときにおいもを食べていたのを見ていて、その効果を知っていたんだとか。身体が陥っていた負のサイクルが、さつまいものおかげでいっきに好転しましたね。
おいもって、“太りやすそう”とか“ダサい”というイメージがあって、美容の食材としてはあまり認知されていません。でも身をもって気づいてしまったので、そこからは隠れて毎日食べるようになりました(笑)。今では便秘知らずなうえ、根菜の温め効果で平熱が37度近くにまで上がったんですよ。
──まさしく人生を変える運命の出合い! 次回は、そんなさつまいもとの“スイート”な生活について教えていただけたらと思います。
鈴木絢子
美容家、さつまいも料理研究家。さまざまなメディアでさつまいもを用いた食生活や美容法を紹介し、最新刊に『鈴木絢子式超かんたんコグマダイエットの秘密』(ジーオーティー刊)がある。講演活動や化粧品・健康食品のプロデュースのほか、ジュエリーブランドの「Tsuno Jewelry」も主宰。
Edit: Satoshi Nakamoto
Photos & Video: Kazuhiro Urakabe
Text & Interview: Misaki Yamashita